腸内酵素とは腸で作られる酵素のこと

寵愛環境

 

酵素というと、私達が体内で作る体内酵素と、食べ物にある食物酵素がよく知られていますが、腸内酵素があることをご存知ですか?

 

 

腸内酵素はあまりメジャーではありませんが、その働きがにわかに注目されはじめています。

 

 

酵素の働きについては主張を異にしている、酵素栄養学も、酵素機能化学でも、腸内酵素は免疫力を高めるためには欠かせない存在ということで一致しているくらいなんですよ。
腸内酵素について調べれば調べるほど、その働きを無視して免疫を語ることはできない!というくらい、とても大事な存在ということがわかります。

 

ここでは、「腸内酵素ってなんだろう?」についてわかりやすく説明します。

 

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腸内酵素とは

腸内酵素とは簡単に言うと、腸内細菌たちが作り出す酵素のことです。

 

酵素は、人に限らず植物や生き物の中に存在していますが、私達の腸に棲んでいる、腸内細菌たちも例外ではありません。

 

 

腸活や腸内細菌という言葉は、一度は耳にしたことがあると思いますが、私達の腸内にはおよそ200種類、100~1000兆個もの腸内細菌が棲み着いているんです。

 

 

ただ棲み着いているわけではなく、腸内細菌たちは、「消化」「免疫防御」「解毒」「排泄」といった腸の活動を担っているんですね。
そして、その腸内細菌たちの活動に欠かせないのが腸内酵素なんです。

 

腸内細菌は、体内にいるので、その腸内細菌が作る腸内酵素も体内酵素としてもいいんじゃないかな、と、普通に考えたらそう思いますよね。
でも、腸内酵素は腸内細菌たちが作る酵素で、人間が直接作るわけではないので、体内酵素とは別にして考えられているんですよ。

 

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腸内酵素はどんな働きをするの?

それでは、腸内酵素はどんな働きをするのでしょうか。

 

おもな働きをいくつかご紹介しますね。

 

1.体内酵素では消化できないものの消化

体内酵素は、体内に入った

  • 炭水化物
  • 脂肪
  • タンパク質

 

を、それぞれ分解します。

 

 

ですが、中には分解することができない栄養素もあります。

 

 

え、分解できない?!

 

 

それではどうやって私達は栄養素を分解しているのでしょうか。

 

 

体内酵素が分解できない栄養素の分解は、腸内酵素がしています。

 

 

たとえば、果物や野菜に含まれる多糖類。

 

多糖類を分解するのはバクテロイデス・テタイオタオミクロンという腸内細菌。多糖類を分解するために、なんと260種類以上もの酵素を持っているんですよ。

 

 

酵素の働きについて、別の記事でみましたが
(⇒ 酵素とはわかりやすく言うと、生命維持に欠かせない物質)、酵素は1つにつき1つの作業をするため、無数のプロセスを踏む「消化」や「代謝」という作業にものすごくたくさんの酵素を必要としています。

 

なので、体内酵素だけでは処理しきれない栄養素があるというのも不思議ではありませんよね。

 

できないことを100兆個もの腸内細菌がしているというのは、うまい連携プレーができているなと思います。

 

 

 

2.血管の老化を防ぐ

血管の老化は、悪玉コレステロールが動脈壁について、次第に動脈硬化が進んでいくことで起こります。

 

 

酵素機能化学博士の高畑宗明氏によれば、コレステロールが血管壁に沈着するのは、炎症によって傷ついた細胞を修復するためとのこと。

 

 

ということは、加齢とともに血管の炎症が進んでいくということになるので、炎症を抑えることが老化の加速を抑えるポイントになります。

 

 

炎症を抑える物質として注目されているのがポリアミン。

 

 

ポリアミンは、ヒトの細胞から微生物の細胞まで、すべての細胞で作られている物質です。

 

 

抗炎症作用があるポリアミンですが、加齢とともに減少していきます。

 

 

ポリアミンは、味噌や納豆などに含まれていて、食べることで補うことができますが、実はポリアミンは腸内でも作られていて、それを可能にしているのが腸内酵素なんです!

 

 

腸内細菌がポリアミンを作るかどうか、とある実験では
腸内細菌のいない無菌マウスと、普通のマウスを比べた所、普通のマウスのポリアミンの量は、無菌マウスよりもはるか高かったというのです(参照)。

 

 

ポリアミンを補うことと、腸内細菌を増やすことを考えた食べ物が、ポリアミンを増やすポイントになりそうですね。

 

 

3.骨を強化する

閉経後の女性に増える骨粗鬆症は、骨の密度が低下して、骨が骨折しやすい状態になってしまう症状です。

 

骨はカルシウムで出来てる、と思われがちですが、血管や神経も通っていますし、骨細胞が活動していて、新陳代謝も行われているんですよ。

 

 

骨を作っている構造のことを「骨基質(こつきしつ)」といいますが、実はカルシウムとコラーゲンで作られているんです。

 

 

骨基質は、コラーゲンが枠組みを作って、そこにカルシウムなどのミネラル成分がついているのですが、ちょうど鉄筋で枠組みを作って、セメントを塗るといったような状態です。

 

骨の構造

 

 

コラーゲンが含まれているから骨は柔軟さとしなやかさが出ているのですが、コラーゲン繊維がびっしり張っていれば張っているほど、骨は健康さを保ちます。

 

 

腸内酵素が骨の強化にどう働いているのかといいますと、2つ考えられます。

 

 

1つは骨の強化に必要な栄養素

 

  • カルシウム
  • コラーゲン
  • ビタミンD
  • ビタミンK

 

の吸収をアップさせるということ。

 

腸内酵素が活発になると、それだけ腸内細菌の働きも活発になり、栄養の吸収がよくなるからです。

 

 

もうひとつは、ビタミンK(厳密にはビタミンK2)を合成するということです。

 

 

ビタミンKは骨からカルシウムが溶け出すのを防いだり、骨の石灰化を促進する働きがあるので、骨の強化には欠かせない栄養素なんですね。

 

 

 

4.免疫力のバランスを保つ

酪酸は、短鎖脂肪酸のひとつで、酪酸合成菌という腸内細菌の酵素によって作り出されます。

 

 

酪酸は、大腸を動かすエネルギー源、傷ついた腸管粘膜の修復、Treg(Tレグ)細胞(制御性T細胞)を増やすと言った働きがあるんですね。

 

 

酪酸が免疫力のバランスを保つのは、Tレグ細胞を活性化させるという点から。

 

Tレグ細胞は、免疫が過剰反応することを抑える働きがあります。

 

 

免疫は体を守るので、強ければ強いほどいいですが、暴走すると必要以上に攻撃をかけてアレルギーや自己免疫疾患などの症状を引き起こします。

 

 

こうした暴走を抑えるのがTレグ細胞の仕事というわけです。

 

 

「やせる!若返る!病気を防ぐ!腸内フローラ10の真実」によれば、、理化学研究所の大野博司さんは、未熟なTレグ細胞に酪酸を入れ、Tレグ細胞が増えたことを確認したということです。

 

 

免疫力を高めるというのは、強くするというだけじゃなくて、このようにバランスを保つのが大事なんですね。

 

 

 

5.ストレスを和らげる

GABA(Gamma-AminoButyric acid、ガンマアミノ酪酸のこと)は、ヒトの中枢神経に存在していて、精神をリラックスさせる神経伝達物質。

 

GABAは脳内のグルタミン酸から作られて、ストレスに対応しています。

 

でも、ストレスが溜まりすぎると、脳内だけでは生産が追いつかなくなってしまうんですね。

 

 

そこで、GABA強化食品や、GABAを多く含む食べ物を食べて補おうと思いますが、外から取り込んだGABAはそのまま脳に送られるわけではありません。

 

 

これは、脳のメカニズムによりものです。

 

 

脳には「血液脳関門」があって、自分自身を守るため余計なものをブロックしています。

 

 

じゃあ、不足したGABAを補うにはどうしたらいいのでしょうか。

 

 

実はGABAを合成する腸内細菌がいます。

 

ある論文では、乳酸菌JB-1株という乳酸菌が、グルタミン酸脱炭酸酵素を使ってGABAを生産していると報告しています。

 

 

腸内で作られたGABAも、脳に直接送られるわけではありませんが、腸内にある受容体を通して中枢神経に伝わり、脳に届くのです。

 

 

 

脳と腸はお互い連携していると言われますが、本当にうまく助け合ってますね^^

 

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腸内酵素とは?についてのまとめ

腸内酵素ってなんだろう、ということについて見てきました。

 

腸内酵素は、腸内細菌が作り出す酵素のことで、体内酵素とは区別されます。
そして腸内酵素は、体内酵素が消化できないものを消化するなど、大事な働きをしていることもわかりました。

 

免疫力のことを考えたら、腸内酵素の働きは欠かせませんし、腸内酵素を作り出す腸内細菌を増やしたくなりますね!

 

 

腸内酵素を活発にするには、腸内環境を整えたり、腸内細菌を増やすことがポイントになってきますが、酵素を通して腸内細菌について知る楽しみが増えました♪