陰陽思想とその意味について

陰陽思想

 

陰陽思想は、古代中国で誕生し発展した、独自の思想です。
陰と陽という、とてもシンプルな考え方ですが、具体的に何を意味しているのかと言われると、良くわからないという人も多いのではないでしょうか。

 

陰陽思想の基本的な考えは、とてもシンプルです。
そして、陰陽思想を象徴している太極図から理解すると、陰陽思想が持つ深い意味を容易に知ることができるでしょう。

 

この記事では、陰陽思想について、太極図を用いながらその意味をご紹介します。

 

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太極図が表現しているのは、陰陽思想の「陰」と「陽」

陰陽思想の基本的な考え方とは一体何なのでしょうか。そして、陰陽思想を反映しているという太極図の意味とは?陰陽思想と太極図について、関連性を絡めながら見てみましょう。

 

陰陽思想について

陰陽思想は、この世の全ては陰と陽という、異なる二つの気から成り立っていると考えます。陰陽思想について調べていると、「森羅万象(しんらばんしょう)」という言葉が登場しますが、これには、「宇宙に存在する一切のもの」という意味があります。陰陽思想は、宇宙全体を陰と陽の動きから見ているのです。

 

陰陽思想によると、宇宙のはじまりは何もない、カオスの状態でした。ある時、カオスから光を伴った気(陽)と暗黒の気(陰)が生まれ、陽は上に向かって天を、陰は下に向かって地を創りました。これが、陰陽の始まりです。そして、自然は太陽が昇って地平線に沈むサイクルを繰り返しているなど、この世に起こる事象は、二つの気の動きで成り立っていると捉えるようになったのです。

 

明るい状態を「陽」、暗い状態を「陰」とするように、陰陽思想は相反する状態を陰と陽に当てはめています。おもな陰と陽は、以下のとおりです。

 

受動的 能動的
女性 男性
小さい 大きい
太陽
精神 肉体
偶数 奇数

 

 

このように、陰陽は、人間の存在(男女)から、季節の移り変わり、天気、数字まで、常に身近にあるものから説明できます。

 

 

太極図について

この陰陽思想の考えを描いたのが「太極図」です。

 

太極図
出典

 

黒は「陰」を、白は「陽」をそれぞれ表現しています。陰陽思想では右が陰で、左が陽と決められていますので、常に黒は右側、白は左側です。白い部分は下から上に向かって広がっていますが、これはカオスから光を伴った気が誕生し、天に昇る様子が描かれています。そして黒い部分は、暗黒の気がカオスから下降して地を創る様子が描かれています。
太極図は陰陽思想が誕生したと同時に描かれたのではなく、初めて登場した文献は『太極図説』(1070年)で、陰陽思想が誕生したと言われる紀元前2000年よりも後に作成されました。

 

太極図は陰陽思想が誕生した後の時代に登場しましたが、思想を忠実に可視化していることから、陰陽思想を説明する際に用いられているのが一般的です。

 

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太極図は陰陽思想の奥深い部分の意味も表現している

太極図が陰陽思想を理解する上で欠かせないのは、思想が持つ、真の意味をわかりやすく可視化しているからです。

 

陰陽思想の陰と陽の明確な区別はない

陰陽思想は、陰と陽をはっきりと区別しているわけではありません。

 

陰と陽は対極的な意味を持ちつつも、お互い重なり合い、融合している部分があります。陰と陽のサイクルの動きは、ある時点から陰から陽に変わるというふうに、明確に分けられているわけではないのです。ここが、二元論と異なる点です。

 

例えば、太陽が地平線から昇り、再び地平線に沈む時、その状態は完全に「明るい」というわけではなく、ある程度の暗さ(陰)を伴っています。このように、1日のサイクルは、ある時間を堺に突然暗闇になるのではなく、時間とともに暗闇から明るさに転じ、やがて明るさから暗闇へと転じます。

 

陰は陽を含み、陽は陰を含んでいる。陰陽思想の根底にある陰と陽の動きとはまさに、「陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる」なのです。

 

 

太極図に表された陰と陽の動き

陰陽思想は、陰と陽はそれぞれ独立した存在ではなく、お互いに作用し合う一つの要素であるという視点から、万物の生成や成長を理解しようとします。そして、太極図にはこの様子が、はっきりと描かれているのです。

 

太極図の白い部分は、魚のしっぽのように小さな領域から、上に向かって徐々に広がっています。そして、黒い部分も、魚のしっぽのように小さな領域からはじまり
、下に向かって徐々に広がっています。これは、「陽が極まり陰に転じはじめ、陰が極まると再び陽に転じはじめる」ことを、表現していることがわかるでしょう。

 

太極図には、黒い部分に白い点(陰中陽)、白い部分に黒い点(陰中陰)が、それぞれ描かれています。これは、陰の中にも陽が含まれ、逆もまたしかりということを示しているのです。

 

陰陽思想では、陰も陽も100%完全な状態とは見なしていません。必ずもう一方の気を含んでいると考えます。不完全な「陰」と不完全な「陽」が描かれている太極図は、この思想の根本的な考えをほぼ完璧に視覚化していると言って良いでしょう。

 

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まとめ:陰陽思想の意味を簡単に理解するなら、太極図について知ることから!

陰陽思想の意味について、太極図を用いて説明しました。

 

陰と陽はそれぞれ反対の意味を持っているため、二元的に理解されがちですが、お互いがお互いを含みながら動いています。陰の傾向が強くなれば陰、陽の傾向が強くなれば陽で、そのサイクルを通して宇宙は成り立っているというのが、陰陽思想の根本的な考え方です。

 

そして、その考え方を図に表したのが太極図でした。陰陽思想の意味を理解するのにあたり、太極図を使用すると、とてもわかりやすいですね。